たんぱく質の役割

食事

たんぱく質って何?

たんぱく質とは、体を構成する重要な栄養素の1つであり、炭水化物、脂質と共に、三大栄養素として

なくてはならない存在です

食事から摂取したたんぱく質がアミノ酸に分解されて体に吸収されると、筋肉臓器、肌、髪、爪

などの材料として使われるほか、ホルモン、代謝酵素、免疫物質などになり、さまざまな働きをし

ています

また、エネルギー源としても使われています

【たんぱく質の食事摂取基準】(推定平均必要量、推奨量、目安量:g/日、目標量:%エネルギー)

性別男性女性
年齢 推定平均必要量推奨量目標量推定平均必要量推奨量目標量
18~29歳506513~20405013~20
30~49歳506513~20405013~20
50~64歳506514~20405014~20
65~74歳506015~20405014~20
75歳以上506015~20405015~20
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」をもとに執筆者作成

たんぱく質の分類

たんぱく質は、20種類のアミノ酸で構成されています

20種類のアミノ酸はさらに、必須アミノ酸と、非必須アミノ酸の2種類に分類されます

必須アミノ酸とは

必須アミノ酸は体内で合成することが出来ないため、食事で摂取する必要があります。

必須アミノ酸は全部で9種ありますが、9種全て基準量以上摂取しないと、有効に働かない特徴があり

す。例えば8種を基準値の倍摂っていても、残り1種が不足していると良く働きません。

9つの必須アミノ酸の特徴は、次のようになります。

イソロイシン(BCAA)

側鎖に疎水基をもつ疎水性アミノ酸の一種で、筋肉を作るのに必要なアミノ酸です

含まれる食品: まぐろ赤身、かつお、鶏肉、牛肉、納豆、卵、牛乳、木綿豆腐

ロイシン(BCAA)

疎水性アミノ酸の一種で、筋肉を作るのに必要になります

含まれる食品: まぐろ赤身、かつお、鶏肉、牛肉、納豆、卵、牛乳、木綿豆腐

バリン(BCAA)

バリンはアルブミン等に含まれます。バリンは体内でより単純な化合物に分解されることがあります

イソロイシン、ロイシンとともにBCAAと呼ばれ、筋肉を作ったり肝機能を高める働きをします

バリンが含まれる食品: まぐろ赤身、かつお、鶏肉、牛肉、納豆、卵、牛乳、木綿豆腐

リジン

リジンはカゼイン等に含まれます。酵素の結合に重要な働きをしています

穀類にはリジンが非常に少なく、一部のベジタリアンや穀類に依存した食生活の人々の間では、

リジン欠乏症がみられます

リジン欠乏症になると、疲れやすくなって集中力が低下したり、目の充血、めまいや吐き気、貧血

などの症状が現れます

含まれる食品: 鶏卵、牛肉、鶏肉、豚肉、牛乳

メチオニン

メチオニンはリジン同様カゼイン等に含まれます

メチオニンはシステインやタウリンのもととなります

メチオニンは硫黄を含み、肝臓の脂肪の蓄積をへらしたり、代謝をうながす働きがあります

含まれる食品: 鶏卵、牛肉、鶏肉、豚肉、牛乳

フェニルアラニン

ヒトはフェニルアラニンを非必須アミノ酸であるチロシンに分解する事ができます

人工甘味料の原料になります

フェニルアラニンが適切に分解されず血中に蓄積すると、子供の精神発達を遅らせ

ることがあります

含まれる食品: 生ハム、鶏ささみ肉、豚ヒレ肉、鶏むね肉、牛ヒレ肉

スレオニン

スレオニンはフィブリン等に含まれます

ヒトは体内で合成することは出来きませんが、微生物は非必須アミノ酸のアスパラギン酸から

合成することができます

含まれる食品: 鶏卵、牛肉、鶏肉、豚肉、牛乳

トリプトファン

トリプトファンは幸せホルモンとも呼ばれる神経伝達物質のセロトニンを構成する事でも

知られるアミノ酸です

含まれる食品: 生ハム、鶏ささみ肉、豚ヒレ肉、鶏むね肉、牛ヒレ肉

ヒスチジン

ヒスチジンはヒスタミンの前駆体です。ヒスタミンは食欲抑制の効果を持つことが知られています

乳児はヒスチジンを体内で合成できませんが、成人の場合も必須アミノ酸に含まれます

含まれる食品: 鶏卵、牛肉、鶏肉、豚肉、牛乳

非必須アミノ酸とは

非必須アミノ酸とは、人の体内で必要な量を合成できるアミノ酸のことを指します

人には20種類のアミノ酸がありますが、そのうち11種類が非必須アミノ酸とされています

11種類のアミノ酸は体内でたんぱく質の合成や代謝に関与し、重要な役割を果たしています

非必須アミノ酸の種類

アラニン・グリシン・アスパラギン・セリン・チロシン・システイン・アスパラギン酸・グルタミン酸

プロリン・グリシン・アラニン・アルギニン(子供にとっては必須アミノ酸に分類されます)

以上が非必須アミノ酸の分類になります

たんぱく質の役割

この章ではたんぱく質の主な役割を紹介していきます

構造的役割

細胞や組織の構成要素として働きます

たんぱく質は筋肉、皮膚、骨、髪、爪などの形成に必要です

酵素としての役割

酵素は生化学反応を触媒し、代謝プロセスを促進します

たんぱく質は多くの酵素の主要な構成要素になります

免疫系のサポート

抗体や免疫グロブリンなど、免疫系の一部はたんぱく質から作られています

これらは感染症や病原体の防御に重要です

ホルモンの役割

一部のホルモンはたんぱく質から合成されます

例えば、インスリンは膵臓で合成されるたんぱく質になります

運搬と貯蔵

血液中のヘモグロビンは酵素を運搬するためのたんぱく質です

また、フェリチンは鉄を貯蔵する役割を果たします

エネルギー源

炭水化物や脂質が不足した場合、たんぱく質はエネルギー源として利用されています

まとめ

たんぱく質と聞くと、筋肉の形成に必要なイメージが強い栄養素ですが、筋肉の形成以外にも健康維持

のためになくてはならない栄養素であることがわかっていただけたと思います

特に、必須アミノ酸は食事からでしか摂取できない栄養素になるので、食生活にしっかり取り入れて

いきましょう

ちなみに男性では1日65g、女性は50gのたんぱく質を摂取することが推奨されています(18~64歳)

摂取カロリーに対して13~20%とされています

これは健康な人を対象にした推奨量になるので、参考にしてみてください

本日も最後までお読みいただきありがとうございました

100歳まで健康な体で過ごせるように頑張っていきましょう

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