
円安を止めたい日本が円を買うのはわかるよ。でも、なんでアメリカまで円を買ったの?😥
いい疑問です。
答えを先にお伝えします。
アメリカが円を買った理由は、大きく3つあります。
報道でいちばん深く指摘されているのが「日本に米国債を売られると、アメリカ自身の金利が上がってしまうから」です。
親切心だけで動いたわけではなさそうです。
しかも、アメリカが動かしたお金は日本の10分の1前後とみられています。
申し遅れました。
こんにちは、FPのよ~ちゃんです。
私はこのニュースを見たとき、「アメリカも介入したのか~」くらいの受け止めでした。
ところが財務省の資料を追いかけてみたら、想像よりずっと生々しい話が出てきました。
- アメリカが円を買った3つの理由(根拠の強さつき)
- 7月30日から8月5日までに何が起きたのかの時系列
- 日本は推計12兆円、アメリカは1兆円前後。この金額差の意味
- 28年前は、たった2,312億円の協調介入で相場が動いた話
- 積立投資をしている人が、今日やること1つ
読み終えるころには、為替のニュースを見ても「で、これは誰が何のためにやったのか」が自分でわかるようになります。
アメリカが円を買った理由は、大きく3つ
まず結論から言うと、理由は次の3つです。
なお協調介入とは、複数の国の通貨当局が、時期を合わせて同じ方向の為替取引を行うことをいいます。
1国だけで行う「単独介入」の反対だと考えてください。
| 理由 | 中身 | 根拠の強さ |
|---|---|---|
| ① 米国債 | 日本が円買いの資金を作るために米国債を売ると、アメリカの金利が上がる | 制度面は一次情報。動機は報道・専門家の見方 |
| ② アジア | 円安が続くと、韓国や中国も通貨安に動きかねない | 米財務長官が取材で語った内容 |
| ③ 約束 | 2025年9月の日米財務大臣共同声明で、こういう場合の介入を認め合っていた | 財務省の一次情報 |
3つのうち、報道でいちばん深く掘られているのが①です。
そして①こそ、ニュースを見ただけではまず出てこない部分です。
アメリカは、日本を助けると同時に、自分の金利も守る形になったとみられています。
これが今回の構図です。

そもそも為替介入は「バケツで水をかき出す」作業
為替介入とは、通貨当局が自分で外国為替市場に参加して、通貨を売り買いすることです。
円安を止めたいときは、手持ちのドルを売って円を買います。
イメージとしては、川の流れを変えようとバケツで水をかき出すような作業です。
1人でやるより2人でやるほうが水は多く減ります。
ただ、それ以上に効くのが「あの2人は本気らしい」と周りが思うことです。
相場がその場で向きを変えるのは、たいていそちらの理由です。
そもそも、何が起きたの?この1週間の出来事
2026年7月30日から8月5日にかけて、次のことが起きました。
| 日付 | 出来事 |
|---|---|
| 7月下旬 | 1ドル163円90銭台。約40年ぶりの円安水準に |
| 7月30日 | 日本が単独で円買い介入 |
| 7月31日 | 日米が協調して円買い介入 |
| 8月3日 | 日米が同時に声明を公表。この日も介入があったとみられ、円は一時155円台へ |
| 8月4〜5日 | 追加介入への警戒が続き、157円台で推移 |
163円90銭台から155円20銭台まで、9円近い円高になった場面もありました。
日本側の介入は、7月30日から8月3日までの3営業日で推計12兆円規模と報じられています。
ただし、これは市場の推計です。
財務省が公表している介入実績のうち、最新は令和8年6月29日から7月29日までの分で、7月31日に発表されたものでした。
その額はゼロ円。
つまり7月30日以降の公式な金額は、まだ世に出ていません。
次の公表は8月末ごろになります。
日本は推計12兆円、アメリカは1兆円前後。10倍前後の開きがある
一方、アメリカ側は50億〜100億ドル程度と報じられています。
日本円にすると、1ドル160円換算でおよそ8,000億円から1兆6,000億円です。
日本の推計12兆円と比べると、10分の1前後にとどまります。
ただし、この数字には但し書きがつきます。
アメリカ側の正確な金額も、まだ公表されていません。
50億〜100億ドルというのは、ベセント財務長官のメモに書かれていた金額です。

少なく見えますよね。でも協調介入は、金額ではなく「合図」に意味があるんです😊
しかもアメリカは、ドルではなく手持ちのユーロを売って円を買ったと報じられています。
ドル円だけを狙った取引ではなかったわけです。
この点について市場では、「ドル安を望んでいるという合図を出したくなかったのではないか」との見方が出ました。
一方で、元米財務次官補からは、ドルに対して円を高くしたいのならユーロを使うのは「奇妙だ」との指摘が出ています。
米財務省に長く在籍した専門家からも、こんな声がありました。
「円安の根本原因に日本が取り組む計画の一部でなければ、米国が円を支えるのは賢明ではない」(拙訳)
アメリカが自国通貨を売らずに他国の通貨を支えるのは、それだけ珍しいことなのです。
豆知識
アメリカの介入が最初に表に出たきっかけは、財務長官の手書きメモでした。閣議の場でカメラに写ったメモ帳に「円を50〜100億ドル買う」と書かれていたと報じられています。ちなみに私のメモ帳が撮られても、出てくるのは「卵・牛乳・トイレットペーパー」だけです。
28年前の協調介入で、日本が投じたのはたった2,312億円
ここで、財務省が公開している過去の介入データを見てみます。
日米が円買いで足並みをそろえたのは、1998年6月以来、約28年ぶりでした。
なお2011年の東日本大震災の直後にも、日米欧の協調介入がありました。
ただしあのときは、行きすぎた円高を止めるための「円売り」です。
売る方向が今回とは逆でした。
話を1998年に戻します。
そのときの金額が、なかなか興味深いのです。
| 日付 | 介入額 | 種類 |
|---|---|---|
| 1998年4月10日 | 2兆6,201億円 | 日本の単独介入 |
| 1998年6月17日 | 2,312億円 | 日米が足並みをそろえた日 |
| 2026年7月30日〜8月3日 | 推計12兆円規模 | 単独+協調 |
※1998年の2件は財務省「外国為替平衡操作の実施状況」の実績値で、いずれも日本側の金額です(アメリカ側の額は含みません)。2026年分は市場推計です。
4月10日の1日だけで、日本は単独で2兆6,201億円を投じています。
それでも円安は止まりませんでした。
そして2か月後、日米が足並みをそろえた日に日本が投じた金額は2,312億円。
4月の単独介入の、およそ11分の1です。
それでも相場は、介入直前の146円台から2営業日後には133円台まで、13円ほど円高に振れました(マネックス証券の検証による)。
金額の大きさより、「日米がそろって出てきた」という合図のほうが効いたわけです。
ただし、ここからが大事なところです。
その効果は続きませんでした。
同じ年の8月11日には147円台と、介入前より円安が進んでいます。
しかも財務省のデータを見ると、1998年に日本が円買い介入をしたのは、この6月17日が最後。
7〜9月期も、10〜12月期もゼロです。
つまり日本は、円安が再燃しても介入をしませんでした。
では何が流れを変えたのか。
その年の8月に起きたロシアの財政破綻と、それに続く世界的な金融不安でした。
10月には一転して大幅な円高が進み、翌1999年1月には、今度は行きすぎた円高を止めるために日本が円を売っています。
介入は流れを止めるきっかけにはなっても、流れそのものを決めるのは世界の金融情勢のほうです。
なお今回の推計12兆円は、1998年6月17日に日本が投じた額のおよそ52倍にあたります。
28年で桁がここまで変わったのは、それだけ為替市場が大きくなったからだとみられます。
理由①:日本に米国債を売られると、アメリカの金利が上がるから
3つの理由のうち、いちばん現実的なのがこれです。
円買い介入をするには、売るためのドルが必要になります。
そのドルは、日本が持っている外貨準備から出ます。
外貨準備とは、国が万一に備えて持っている外貨の蓄えのことです。
日本の場合は、財務省の外国為替資金特別会計(国が為替介入用のお金を管理する専用の財布)と日本銀行が持っています。
日本の「ドルの財布」は、9割近くが現金ではない
ここが今回の話の核心です。
財務省が発表した令和8年6月末の外貨準備の中身を、私のほうで割合に直してみました。
| 中身 | 金額 | 割合 |
|---|---|---|
| 外貨準備の合計 | 約1兆2,875億ドル | 100% |
| うち証券(米国債など) | 約9,286億ドル | 約72% |
| うち預金(すぐ使える) | 約1,619億ドル | 約13% |
※財務省「外貨準備等の状況(令和8年6月末現在)」より筆者が計算。残りの約15%は金などです。
すぐ動かせる預金は、全体の1割ちょっとしかありません。
一方、今回の介入は3営業日で推計12兆円です。
1ドル160円で換算すると、約750億ドルになります。
これは、6月末時点の預金1,619億ドルの4割台の後半にあたる金額です。
1ドル155円で計算しても163円で計算しても、この結論は変わりません。
つまり、預金だけでこの規模の介入を何度も続けるのは、計算のうえで無理があります。
預金では足りず、証券=米国債を取り崩す必要が出てきます。
すでに1か月で771億ドル減った実績がある
実際、日本はもう証券のほうに手をつけているとみられます。
介入で外貨準備が減るのは、机上の話ではありません。
日本は今回より前、2026年4月28日から5月27日にかけても円買い介入をしています。
その額は11兆7,349億円。
こちらは市場推計ではなく、財務省が公表した実績値になります。
そして外貨準備がどうなったかというと、こうです。
| 時点 | 外貨準備高 | 前月末比 |
|---|---|---|
| 令和8年4月末 | 約1兆3,830億ドル | +83億ドル |
| 令和8年5月末 | 約1兆3,059億ドル | ▲771億ドル |
| 令和8年6月末 | 約1兆2,875億ドル | ▲184億ドル |
4月末がまだ減っていないのは、介入の期間が4月28日から5月27日で、お金の受け渡しも翌月にずれ込むためです。
なお6月の介入額はゼロ円でした。
つまり▲184億ドルくらいなら、値動きだけでも動きます。
たった1か月で、771億ドルが消えています。
減少率にすると5.6%。
投じた11兆7,349億円と、ほぼ見合う規模です(1ドル150〜155円で換算した場合)。
そして、ここが今回いちばん大事なところです。
減ったのは預金ではありませんでした。
4月末から5月末にかけて、証券が756億ドル減っています(1兆72億ドル→9,317億ドル)。
預金のほうは、ほぼ横ばいでした。
つまり日本は、現金を使い切る前に、すでに証券を取り崩して介入資金を作っているとみられます。
※外貨準備の増減には、保有資産の値動きや為替換算の影響も含まれます。証券の減少にも、償還分の取り崩しや時価の変動が含まれます。
そこへ今回の推計12兆円が重なりました。
2026年の円買い介入は、公表分と推計分を合わせると20兆円を超える計算になります。
米国債が売られると、アメリカ人の住宅ローンまで上がる
日本は世界でも有数の米国債の保有国です。
その日本が、いまの規模を超えて米国債を売り続けたら、何が起きるでしょうか。
債券は、売られると値段が下がります。
そして債券の値段が下がると、その裏側で利回り(金利)は上がります。
大株主が持ち株を一気に売れば株価が下がる、あれと同じ理屈です。
米国債の利回りは、アメリカの長期金利そのものです。
長期金利が上がれば、アメリカの住宅ローン金利も企業の借入金利も上がります。
国が払う利息も増えます。
金利のしくみそのものが不安な方は、こちらもどうぞ。
だから「売らずに借りる」道が用意された
ここで、財務省の談話に戻ります。
片山財務大臣の談話(令和8年8月3日)には、こう書かれています。
「日本は将来的に、米国連邦準備制度の『外国・国際通貨当局向けレポ・ファシリティ』(FIMA Repo Facility)の活用を予定している」
聞き慣れない名前ですが、中身はそこまで難しくありません。
FIMAレポ・ファシリティとは、外国の通貨当局が米国債を担保にドルを借りられるしくみです。
貸してくれるのは、アメリカの中央銀行にあたる連邦準備制度です。
質屋を思い浮かべてください。
時計を売ってしまえば、手元には戻ってきません。
でも質屋に預けてお金を借りれば、あとで取り返せます。
つまり日本は、米国債を売らずにドルを手に入れる道を確保したわけです。
そしてアメリカから見れば、これは「米国債を市場に出さないでくれ」という話でもあります。

FRB自身が「米国内の金融市場の状況」を理由に挙げている
ここは推測ではありません。
このしくみを常設化したときの発表文で、アメリカの中央銀行はこう説明しています。
「このファシリティは、放っておけば米国内の金融市場の状況に影響しかねない、世界のドル資金市場の緊張に対処する助けとなり得る」(拙訳)
英語の原文にも、こうあります。
“financial market conditions in the United States”
つまり、アメリカ国内の金融市場の状況、ということ。
外国を助けるためだけの制度ではなく、作った側が自国の金融市場への影響も理由に挙げているわけです。
豆知識
このしくみは2020年3月、コロナ危機のさなかに臨時で作られました。各国がドル欲しさに米国債を投げ売りするのを止めるためです。2021年7月28日に常設化され、今に至ります。
ただし、ひとつ正直に添えておきます。
日米の当局が「米国債の売却を避けるためだった」と公式に述べたわけではありません。
これは報道や専門家が読み解いた見方です。
事実として確認できるのは、財務省がFIMAレポの活用に言及したこと。
その制度がもともと米国債の投げ売りを防ぐために作られたこと。
そして5月に、日本の外貨準備で証券が756億ドル減った公的データがあること。
この3つです。
理由②:円安を放置すると、アジア全体が通貨安競争になるから
2つ目は、アメリカ側が公の場で語っている理由です。
ベセント米財務長官は8月4日、円安を放置すればアジアの市場が不安定になりかねない、という趣旨の説明をしました。
米CNBCのインタビューによると、「安定した円は米国だけでなく、地域全体にとって非常に重要だ」と述べています(拙訳)。
そのうえで、韓国ウォンの値動きの荒さや、中国人民元が実力より安いのではないかという懸念にも触れました。
ここは正確にお伝えしておきます。
公式の声明文には、アジアの話までは書かれていません。
アメリカ側の声明で述べられたのは、「金曜日の協調行動は、無秩序な円の動きに対処した」という一文です。
※報道が伝えた原文からの拙訳です。
アジアへの波及は、そのあとの取材で本人が語ったものになります。
通貨安競争は「隣の店に合わせた値下げ合戦」
通貨安競争とは、輸出で有利になろうとして、各国が自国の通貨を安く誘導し合う状態をいいます。
商店街の値下げ合戦を思い浮かべてください。
隣の店が半額にしたら、こちらも下げないとお客さんが来ません。
そうやって全員が下げ続ければ、街全体が儲からなくなる。
通貨で同じことが起きるのを、各国はいちばん嫌います。
円が一方的に安くなり続けると、日本の製品はアジアの中で急に安く見えてきます。
すると韓国や中国も、自国通貨を安く保ちたくなるでしょう。
その連鎖が始まると、アメリカにとっても厄介です。
輸入品が安くなりすぎればアメリカの製造業が押されますし、金融市場も揺れかねません。
だから「円が独りで沈むのは困る」という話になります。
理由③:去年9月に、日米で「約束」していたから
3つ目は、いちばん地味ですが、いちばん確かな理由です。
今回の協調介入には、根拠となる文書があります。
2025年9月11日に出された「日米財務大臣共同声明」です。
財務省が公開している仮訳には、こう書かれています。
「為替レートは市場において決定されるべきこと、及び為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済及び金融の安定に対して悪影響を与え得ることを再確認した」
そのうえで、介入についてはこう定めています。
「介入は、(中略)為替レートの過度の変動や無秩序な動きに対処するためのものに留保されるべきことで一致した」
言い換えると、「相場が壊れたときだけ、介入していい」と決めてあったわけです。
今回は「約束どおりの実施」だった
片山財務大臣の談話にも、その旨がはっきり書かれています。
「今回の協調介入は、2025年9月に発出した『日米財務大臣共同声明』に基づき実施されたものであり、最近見られた円の過度な変動や無秩序な動きに対処したものである」
つまり今回のアメリカの動きは、思いつきではありません。
11か月前に交わした取り決めを、そのまま実行したものです。
だからこそ日本側は談話で、今後さらに協調介入を実施することも躊躇しない、と言い切れたわけです。
アメリカ側の声明にも、同じ趣旨の一文が入っています。
豆知識
同じ共同声明では「少なくとも月次で、あらゆる為替介入の実施状況」を公表することにコミットしています。だから7月30日以降の金額も、8月末には公表される予定です。
で、私たちの家計はどうなる?
正直にお伝えすると、すぐには変わりません。
円が一時9円近く戻ったからといって、明日スーパーの値札が下がるわけではないからです。
円高が値札に届くまでには時間がかかる
輸入品の値段は、企業が仕入れた時点の為替で決まります。
在庫がはけて、次の仕入れ分が店頭に並ぶまでには数か月かかります。
しかも一度上げた値段は、そう簡単には下がりません。
私自身、日用品、とくにコンビニで物価高を感じています。
あの値札が戻るとしたら、それは今回の介入からずいぶん先の話でしょう。
値上げそのものへの備え方は、こちらにまとめています。
積立投資をしている人がやること
私は新NISAで、全世界株式のインデックスファンド(オルカン)を月3万円ずつ積み立てています。
このオルカン、2026年6月30日現在で国内株式は5.1%しかありません。
裏を返すと、94.9%が日本以外の株ということです。
月3万円のうち、およそ2万8千円が為替で動く部分です。
アメリカは全体の63.0%なので、3万円のうち約1万9千円がアメリカの株ということになります。
ここを勘違いすると危ないので、もう一度書きます。
為替の影響を受けるのは「米国株の分」ではなく「日本株を除いた全部」です。
つまり円高が進むと、その2万8千円ぶんの評価額は円で見て下がりやすくなります。
では、私は今回のニュースを見て何かしたか。
何もしていません。
日々の変動が激しいので、投資としては淡々と積み立てることだけ考えました。

為替の先行きは私には読めないので、当てにいかない方法を選んでいます😅
ちなみに、有事に強いと言われる金(ゴールド)も私は持っていません。
細かく見ると乱高下する場面があり、安定と言い切れないと考えているからです。
米国株の比率が気になった方は、こちらで中身を確かめてみてください。
そのうえで、ひとつだけ注意しておきたいことがあります。
ここは注意してください
為替介入があっても、円安が終わるとは限りません。1998年も、いったん13円ほど戻したあと再び円安が進みました。介入をきっかけに外貨や投資商品を売り買いすると、元本割れの可能性があります。最終的な判断はご自身の責任でお願いします。
ここまでを、3行にまとめます。
ここまでの要点
- 報道が最大の理由とみているのは、アメリカが自国の金利を守るため
- 協調介入は金額より「日米がそろった」という合図が効く
- 家計に届くのは数か月先。積立の設定を慌てて変えない
よくある質問
為替介入をすると、必ず円高になりますか?
なりません。
1998年6月の協調介入では、2日ほどで13円近く円高に振れました。
ただし2か月後の8月11日には、介入前より円安が進んでいます。
同じ年の4月10日に日本が単独で2兆6,201億円を投じたときも、円安は止まりませんでした。
介入は流れを止めるきっかけにはなっても、方向を決めるのは各国の金利差や景気です。
「介入があったから今後は円高」と考えるのは危険だと思います。
円買い介入のお金は、税金から出ているのですか?
税金ではありません。
原資は、財務省の外国為替資金特別会計が持っている外貨資産です。
この会計は、政府短期証券(国が短期で借りるための証券)を発行して円を調達し、その円で外貨を買って運用しています。
そして毎年度の利益は、一部が外国為替資金に組み入れられ、残りが一般会計などに繰り入れられます。
つまり家計から直接お金が出ていくしくみではありません。
ただし逆に、この会計で損失が出れば、めぐりめぐって国の財政に影響します。
「まったく無関係」ではない、というのが正確なところです。
アメリカは、円を買って損をしないのですか?
損得は、そのあとの相場しだいです。
今回アメリカは、手持ちのユーロを売って円を買ったと報じられました。
もし円がこのまま高くなれば、買った円の価値は上がります。
ただ、今回の目的はもうけではなく、円の急な下落を止めることだったと両国とも説明しています。
まとめ|アメリカは、日本のためだけに円を買ったわけではない
最後に整理します。
- 理由① 日本が円買いの資金づくりで米国債を売ると、アメリカの金利が上がってしまうから(※動機そのものは、報道・専門家の見方です)
- 理由② 円安を放置すると、韓国や中国も通貨安に動き、アジア全体が不安定になるから
- 理由③ 2025年9月の日米共同声明で、こういう場合の介入を認め合っていたから
そしてもう1つ。
日本は米国債を「売らずに借りる」道(FIMAレポ)を確保しました。
これは日本にとっての備えであると同時に、アメリカにとっての安全装置でもあります。
今日の最初の一歩
ニュースを追いかけるより、まず自分の資産を見てください。
あなたの資産のうち、為替で動くものが何割あるかを確認する。
これだけで十分です。
投資信託なら、月次レポートや目論見書(ファンドの説明書)に「国・地域別の組入比率」が載っています。
見るのは日本の比率です。
100からその数字を引いた残りが、為替で動く部分になります。
私の場合、為替で動く資産はオルカン1本。
日本が5.1%なので、積み立てている3万円のうち約2万8千円が為替で動く計算でした。
割合がわかれば、円が動いたときに慌てなくなります。
なお8月7日(金)の朝には、7月末の外貨準備高が財務省から公表される予定です。
ただし介入は、決済のタイミングの関係で当月末の数字にすぐは表れません。
記事の中ほどにある外貨準備の表で、4月末がまだ減っていないのはそのためです。
7月30日以降の分は、8月末に公表される数字で確認することになります。
そのうえで、今後の円安の行方が気になる方は、こちらもあわせてどうぞ。
割合を確かめたら、次はその振れ幅を知っておくと安心です。
※本記事は2026年8月6日時点の公表情報にもとづく解説です。7月30日以降の介入額は市場推計であり、財務省の公式な実績は8月末ごろに公表されます。
執筆:よ~ちゃん(2級ファイナンシャル・プランニング技能士)/最終更新日:2026年8月6日
参考資料
- 財務省「片山財務大臣談話(令和8年8月3日)」
- 財務省「日米財務大臣共同声明(仮訳)2025年9月11日」
- 財務省「統計表一覧(外国為替平衡操作の実施状況)」
- 財務省「外国為替平衡操作の実施状況(令和8年4月28日〜令和8年5月27日)」
- 財務省「外貨準備等の状況(令和8年4月末現在)」
- 財務省「外貨準備等の状況(令和8年5月末現在)」
- 財務省「外貨準備等の状況(令和8年6月末現在)」
- 財務省「外国為替資金特別会計」
- 米連邦準備制度理事会「Federal Reserve announces establishment of a temporary FIMA Repo Facility(2020年3月31日)」
- 米連邦準備制度理事会「Statement Regarding Repurchase Agreement Arrangements(2021年7月28日)」
- 三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)月次レポート(2026年6月30日現在)」
- CNBC「U.S., Japan confirm coordinated yen intervention, signal readiness for more」(2026年8月3日)
- CNBC「Bessent says U.S. backed Japan’s yen intervention to help stabilize Asia」(2026年8月4日)
- Fortune「America’s ‘weird’ and ‘unwise’ intervention in the Japanese yen」(2026年8月3日)
- マネックス証券 吉田恒「【為替】1998年の日米協調介入を振り返る」





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