
障害年金って、障害者手帳を持ってる人がもらうものだよね?
そこが、いちばん多い誤解です。
障害年金の等級と、障害者手帳の等級はまったく別のものです。
先に結論をお伝えします。
障害基礎年金2級は、年847,300円です。
子どもが3人いれば加算が年568,900円つき、合計で年1,416,200円になります。
月にすると、約11万8千円です。
こんにちは、FPのよ~ちゃんです。
正直に書くと、私がこの制度を知ったのは3年ほど前でした。
この制度も、傷病手当金も、会社から説明を受けたことは一度もありません。
- 障害年金は等級と子どもの人数でいくらになるか(早見表)
- 傷病手当金が終わる「1年6か月」との関係
- 受け取るための3つの条件と、見落とされやすい納付要件
- がんやうつ病も対象になること
- 民間の保険で埋めるべきかどうかの考え方
読み終えるころには、「自分や家族に何かあったとき、いくら入るのか」が数字でわかります。
障害年金はいくら?等級と子どもの人数で決まる
障害基礎年金は、2級で年847,300円です。
1級はその1.25倍で、年1,059,125円になります。
いずれも令和8年度(2026年度)の金額です。
障害年金とは、病気やけがで生活や仕事が制限されたときに受け取れる年金です。
老後にもらう年金と同じ制度の中にありますが、現役世代でも受け取れます。
障害基礎年金は「老齢年金の満額と同じ」と覚える
実はこの847,300円、どこかで見た数字です。
老齢基礎年金を40年間おさめきったときの満額と、まったく同じ額です。
つまり2級は、保険料を40年払いきった人と同じ額を受け取れる計算になります。
月額にすると約7万1千円です。
1級はその1.25倍なので、月額約8万8千円になります。
子どもがいると、金額が大きく変わる
ここが見落とされやすいところです。
18歳になった後の最初の3月31日までの子がいる場合、加算がつきます。
2人目までは1人につき243,800円、3人目からは1人につき81,300円です。
| 子どもの人数 | 加算額(年) | 2級との合計(年) |
|---|---|---|
| なし | 0円 | 847,300円 |
| 1人 | 243,800円 | 1,091,100円 |
| 2人 | 487,600円 | 1,334,900円 |
| 3人 | 568,900円 | 1,416,200円 |
わが家は子どもが3人なので、加算だけで年568,900円になります。
合計は年1,416,200円、月にすると約11万8千円です。
子どもが3人いるかどうかで、受け取る額は年に57万円近く変わります。
なお20歳未満で障害等級1級・2級の状態にある子も、加算の対象です。

会社員なら2階建てになる
会社員や公務員は、障害厚生年金が上乗せされます。
平均標準報酬額30万円の人が2級になったケースで計算しました。
| 等級 | 内訳 | 年額 |
|---|---|---|
| 1級 | 障害厚生年金616,613円+障害基礎年金1,059,125円 | 1,675,738円 |
| 2級 | 障害厚生年金493,290円+障害基礎年金847,300円 | 1,340,590円 |
| 3級 | 障害厚生年金のみ(最低保障額) | 635,500円 |
※令和8年度の金額です。加入期間300月で計算し、子の加算と配偶者の加給年金は含んでいません。
1級・2級には、さらに配偶者の加算がつく場合があります。
生計を維持されている65歳未満の配偶者がいるとき、配偶者の加給年金243,800円が加わります。
判定の基準になるのは、配偶者の収入です。
ただし配偶者が、加入期間20年以上の老齢厚生年金や障害年金を受け取る間は止まります。
たとえば子ども3人で、生計を維持している65歳未満の配偶者がいるなら、2級で年2,153,290円です。
内訳は1,340,590円+子の加算568,900円+配偶者の加給年金243,800円になります。
3級は障害基礎年金がなく、障害厚生年金だけです。
ただし最低保障額635,500円があるので、計算結果がこれを下回るときは635,500円になります。
さきほどのモデルケースなら報酬比例は493,290円で、最低保障額のほうが高い計算です。
さらに軽い状態のときは、障害手当金という一時金の制度もあります。
障害手当金にも最低保障額があり、1,271,000円です。
ただし3級と障害手当金は、厚生年金だけの仕組みです。
国民年金だけの人は、2級に届かないと支給がありません。
意外と知られていない「300月みなし」
ここが、老齢年金とまったく逆の考え方になっている部分です。
障害厚生年金の計算では、加入期間が300月(25年)未満なら300月とみなして計算します。
つまり就職して数年でも、25年働いたものとして計算されるということです。
さきほどのモデルケース(平均標準報酬額30万円)で、加入3年の人を比べてみます。
- みなしを使わずに36か月で計算すると、報酬比例は年約59,195円
- 300月とみなすと、報酬比例は年493,290円
差は年約43万円です。
老齢年金は加入期間が短いほど少なくなりますが、障害年金にはこの下支えがあります。
所得が低いときは、月5,620円(2級)の上乗せもある
障害基礎年金には、別制度の上乗せがあります。
障害年金生活者支援給付金といい、1級は月額7,025円、2級は月額5,620円です。
年に直すと、1級で84,300円、2級で67,440円になります。
ただし所得の基準があり、前年所得が「4,794,000円+扶養親族の数×38万円」以下であることが条件です。
いつから受け取れる?「1年6か月」が2回出てくる
障害年金を受け取れるのは、障害認定日を過ぎてからです。
障害認定日とは、初診日から1年6か月を過ぎた日をいいます。
1年6か月以内に症状が固定した場合は、その日が障害認定日になります。
傷病手当金の1年6か月とは、起点が違う
ここが、この記事でいちばんお伝えしたい注意点です。
病気で働けなくなったら、まず健康保険の傷病手当金を受け取ります。
傷病手当金は、支給が始まった日から通算1年6か月が上限です。
一方、障害年金の障害認定日は、初診日から1年6か月です。
起点が違います。
病院にかかってすぐ休むとはかぎりませんし、傷病手当金には待期の3日間もあります。
つまり支給が始まる日は、初診日より後ろにずれるのが普通です。
そのため障害認定日のほうが先に来て、2つの期間は重なります。

同じ病気で障害厚生年金も受け取れるときは、傷病手当金のほうが止まります。
傷病手当金のほうが多ければ、差額だけが支給される形です。
ではお金が途切れないのかというと、そうとも限りません。
そもそも障害等級に該当しなければ、障害年金は受け取れません。
そのうえで途切れる主な理由は、起点のずれではなく、このあと説明する2つです。
あとから悪くなった場合の「事後重症」
障害認定日の時点では軽かった、という場合もあります。
その後に悪化して等級に該当したときに使えるのが、事後重症による請求です。
この場合は、障害認定日ではなく請求日の翌月分から受け取ります。
請求が遅れるほど、受け取り始める時期も後ろにずれる仕組みです。
なお事後重症の請求書は、65歳の誕生日の前々日までに出す必要があります。
振り込まれるのは、思ったより先
日本年金機構の資料には、請求から初回振込までの流れが載っています。
そこに示された例では、請求から約4か月後に初回の振り込みがありました。
受け取る権利が発生した月にさかのぼって、まとめて振り込まれる形です。
生活費がすぐ入るわけではない、という点は知っておいてください。
お金が途切れるとすれば、事後重症になった場合と、この振込までの期間です。
誰がもらえる?3つの条件と、見落とされる納付要件
条件は3つあり、すべてを満たす必要があります。
初診日、保険料の納付要件、障害の状態です。
障害年金を受け取る3つの条件
- 初診日に年金制度に加入していたこと
- 初診日の前日の時点で、保険料の納付要件を満たしていること
- 障害認定日に、障害等級に定める状態であること
いちばん見落とされるのが、2つめの納付要件
原則は、初診日がある月の2か月前までの加入期間のうち、保険料を納めた期間と免除された期間が3分の2以上あることです。
これとは別に、特例もあります。
初診日が令和18年3月末日までにあるなら、次の2つを満たせば要件をクリアできます。
- 初診日に65歳未満であること
- 初診日がある月の2か月前までの直近1年間に未納がないこと
つまり、直近1年に穴がなければ救われる道がある、ということです。
なお20歳前の、年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、納付要件そのものが問われません。
生まれつきの障害や、20歳前に発症したケースがこれにあたります。
ただしこの場合は、本人の前年所得によって年金が停止されることがあります。
未納があると、障害が残っても受け取れません
障害年金は「障害の重さ」だけで決まる制度ではありません。20歳以降に初診日がある場合は、保険料を納めていたかどうかが先に問われます。
私が救われていたかもしれない話
ここで、自分のことを書きます。
私は社会人2年目まで、勤務先が社会保険に入るのを渋っていた時期がありました。
その期間、国民年金は自分で納めていました。
いま制度を調べて、ようやくその意味がわかったところです。
もしあの当時に何かあって、あの期間が未納のままだったら、納付要件でつまずいていた可能性があります。
障害年金の納付要件は、元気なうちの行動で決まってしまいます。
免除や猶予の手続きをしていれば、その期間も要件を満たす期間に数えられる仕組みです。
払えないときに放置するのと、手続きをするのとでは、意味がまったく違います。
対象になる病気は、思っているより広い
手足の障害だけの制度だと思われがちですが、そうではありません。
日本年金機構は、対象となる病気やけがを3つに分けて説明しています。
- 外部障害:眼、聴覚、音声や言語機能、手足の障害など
- 精神障害:統合失調症、双極性障害、認知障害、てんかん、知的障害、発達障害など
- 内部障害:呼吸器疾患、心疾患、腎疾患、肝疾患、血液や造血器の疾患、糖尿病、がんなど
がんも、糖尿病も、腎疾患も対象です。
うつ病は、この精神障害の区分に入ります。
障害者手帳の等級とは別物です
冒頭のみーの疑問に戻ります。
手帳がなくても請求できます
障害年金の等級は、年金の法令で定められた等級です。身体障害者手帳の等級とは異なる、と日本年金機構も明記しています。
手帳を持っていないから対象外、と思い込んで請求しない人がいます。
逆に、手帳の等級が重いから年金も同じ等級になる、ということでもありません。
全員が障害年金にたどりつくわけではない
私の同僚に、精神疾患で1年ほど休職した人がいます。
その人は復職して、いまも働いています。
休職の期間で見れば、障害年金を考えるほど長引かずに戻れたケースです。
制度の話をしていると重く感じるかもしれませんが、こういう経過もあります。
障害年金は、あくまで長引いたときの受け皿です。
なお私の身近に、障害年金を受け取っている人はいません。
だからこそ、実際の話が入ってこない制度だと感じています。
民間の保険で埋めるべき?公的保障を先に知る
結論は、公的保障を先に数えて、足りない分だけを保険で埋める、という順番です。
わが家も、働けなくなったときの備えを考えたことがあります。
そのとき検討したのは、掛け捨ての収入保障保険でした。
ここは正確に書きます。
収入保障保険は、亡くなったときに毎月お金を受け取るタイプの保険です。
生命保険文化センターによると、死亡や所定の高度障害状態が対象になります。
つまり遺された家族のための保険で、働けない状態そのものに備える保険とは目的が違います。
働けないときに備えるのは「就業不能保障保険」
働けない状態そのものに備える商品は、就業不能保障保険と呼ばれます。
ここが、この記事とつながるところです。
生命保険文化センターの解説によると、支払いの条件として「国民年金の障害等級1・2級に該当する場合」を使う商品があります。
公的な障害等級が、そのまま民間保険の支払い条件になっているということです。
だから公的な制度を知らないままだと、何に備えているのかがわからないまま契約することになります。
順番は「公的保障を数える→足りない分だけ保険」
私は以前、月2.8万円の貯蓄型保険に入っていました。
元本割れを受け入れて解約し、掛け捨てに切り替えて月1万円以下になりました。
そのとき決めたのは、保険と投資は分ける、ということでした。
まず障害基礎年金2級で年847,300円、子ども3人なら年1,416,200円。
そこに傷病手当金や貯蓄を足して、それでも足りない分を保険で埋める順番になります。
よくある質問
がんやうつ病でも障害年金の対象になりますか?
対象になります。
日本年金機構は、精神障害や内部障害も対象になると明記しています。
がん、糖尿病、腎疾患は、内部障害として挙げられていました。
うつ病は、精神障害の区分に含まれます。
ただし対象の病気であることと、等級に該当するかどうかは別の話です。
障害者手帳を持っていないと受け取れませんか?
手帳がなくても請求できます。
障害年金の等級は、年金の法令で定められた独自のものです。
日本年金機構の資料にも、両者は異なると明記されています。
障害年金に税金はかかりますか?
かかりません。
日本年金機構は、障害を支給事由とする年金を非課税所得として案内しています。
非課税所得なので、所得の計算には入りません。
まとめ:元気なうちに、2つだけ確かめておく
最後に、この記事の要点を整理します。
- 障害基礎年金は2級で年847,300円、1級で年1,059,125円(令和8年度)
- 18歳到達年度末までの子がいると加算がつく。3人なら年568,900円
- 子ども3人なら2級で合計年1,416,200円、月約11万8千円
- 会社員は障害厚生年金が上乗せされ、3級には最低保障額635,500円がある
- 3級と障害手当金は厚生年金だけの仕組み。国民年金だけの人は2級に届かないとゼロ
- 生計を維持している65歳未満の配偶者がいれば、加給年金243,800円も加わる
- ただし配偶者が20年以上の老齢厚生年金などを受けられるときは支給停止
- 加入期間が短くても300月とみなして計算される
- 障害認定日は初診日から1年6か月。傷病手当金の1年6か月とは起点が違う
- 条件は3つ。うち納付要件は、元気なうちの行動で決まってしまう
- がん、うつ病、糖尿病も対象。障害者手帳とは別の制度
今日できる最初の一歩は、ねんきん定期便で「未納」「未加入」の2文字がないかを見ることです。
障害年金の納付要件は、そこで決まります。
金額の欄より先に、そちらを見てください。
余裕があれば、子どもの人数を数えて、さきほどの表で自分の家の金額も確かめてください。
いくら入るかを知っていれば、必要な保険の大きさも決まります。
退職して健康保険が変わるときの選び方は、こちらにまとめています。
※本記事は2026年7月時点の情報にもとづく概算です。年金額は毎年度改定されます。障害の等級に該当するかどうかは個別の審査で決まります。ご自身の受給の可否や金額は、年金事務所または街角の年金相談センターでご確認ください。
執筆:よ~ちゃん(2級ファイナンシャル・プランニング技能士)/最終更新日:2026年7月31日






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