
守りと攻めって、けっきょく何対何にすればいいの?😥
その質問に、正解の比率はありません。
決めるべきは割合ではなく、「最悪の年にいくら減っても平気か」のほうです。
金額さえ決まれば、割合は計算で出てきます。
申し遅れました。
こんにちは、よ~ちゃんです。
FPですが、配分を考えずに始めて、100万円を50万円にした経験があります。
- 資産配分とは何を決めることなのか
- 攻めの割合を変えると最悪いくら減るかのFP自作試算
- 「100−年齢」ルールは使えるのかの検証
- 自分の配分を3ステップで決める手順
読み終えるころには、あなたの攻めの割合が1つの数字で決まります。
※この記事はシリーズ『ゼロから学ぶ資産運用』のSTEP⑤、最終回です。STEP①・STEP②・STEP③・STEP④もあわせてどうぞ。
資産配分とは「最悪の年にいくら減るか」を選ぶこと
先に答えをお伝えします。
資産配分とは、守り(預金など)と攻め(株式の投資信託など)の割合を決めることです。
そして割合を決めるとは、実質的にどこまで減るのを受け入れるかを決めることにほかなりません。
なぜ商品選びより先に決めるのか
投資を始めるとき、たいていは「どの投資信託を買うか」から入ります。
ですが結果への影響が大きいのは、商品よりも配分のほうだとされています。
同じオルカンを持っていても、資産の1割か10割かで、乗り物としてはまるで別物です。
「割合」のままだと自分ごとにならない
「株式60%、現金40%」と言われても、痛みの大きさは伝わりません。
金額に直したとたん、判断できるようになります。
ここから先は、すべて金額で見ていきます。
【FP自作試算】攻めの割合を変えると、こう変わる
ここが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。
投資に回せるお金が300万円あるとします。
攻め(株式の投資信託)の割合を変えると、1年の振れ方はこうなりました。
| 攻めの割合 | 68%が収まる残高 | 最悪の年に減る額 |
|---|---|---|
| 100% | 257万〜371万円 | 約100万円 |
| 70% | 270万〜350万円 | 約70万円 |
| 50% | 279万〜336万円 | 約50万円 |
| 30% | 287万〜321万円 | 約30万円 |
| 10% | 296万〜307万円 | 約10万円 |
※GPIF公表の前提値(日本株式・期待リターン4.8%・標準偏差約19%/2025年4月適用の基本ポートフォリオ策定時・過去30年投影ケース・名目値)をもとにした筆者試算です。守りの部分は利回り0%・値動きなしと仮定しています。将来の運用成果を保証するものではありません。なお、この前提値は数年ごとに見直されます。

表の言葉を、先に説明しておきます。
「68%が収まる残高」は、10年のうち約7年がこの幅に入るという意味です。
「最悪の年」は、それをさらに下回る、統計上おおむね40年に1回程度の下振れを指します。
これより大きく下がる年もあります。
減り方に「ここまで」という線があるわけではないので、そこは誤解しないでください。
表をよく見ると、きれいな対応に気づきます。
投資額が300万円なら、攻めの割合の数字が、そのまま「最悪で減る万円」になります。
攻め70%なら約70万円、攻め30%なら約30万円です。
ただし、これは300万円のときだけです
ここは正直に書いておきます。
この一致は、投資額が300万円だから成り立っています。
金額が違う人は、次の式を使ってください。
最悪の減り方 = 投資額 × 攻めの割合 × 0.33
500万円で攻め50%なら、500万 × 0.5 × 0.33 = 約83万円です。
覚えやすさだけで判断せず、自分の金額で計算してから使ってください。
計算の前提も開いておきます
この試算には、割り切った仮定が3つあります。
- 守りの部分は利回り0%、値動きなしとした
- 攻めの部分は日本株式の数値を使った(外国株式など、ブレがもっと大きい資産もある)
- 値動きが正規分布(つりがね型)に従うと仮定した
とくに3つ目には気をつけてください。
実際の相場は急落時に、この計算より大きく下がることがあります。
つまり目安であって、この範囲に必ず収まる保証はありません。
投資額そのものを変えるとどう振れるかは、STEP②で試算しています。
「100−年齢」ルールは使えるのか
結論は、叩き台としては使えますが、答えにはなりません。
配分の目安として、よく紹介されるルールがあります。
100から年齢を引いた数字を、攻めの割合にするというものです。
40歳なら、攻め60%になります。
さきほどの300万円で当てはめると、こうなりました。
| 年齢 | 攻めの割合 | 最悪の年に減る額 |
|---|---|---|
| 30歳 | 70% | 約70万円 |
| 40歳 | 60% | 約60万円 |
| 50歳 | 50% | 約50万円 |
| 60歳 | 40% | 約40万円 |
※投資額300万円の場合。GPIF公表値をもとにした筆者試算です。
出発点としては使えます。ただし根拠は薄い
このルールは、法律や公的機関が定めたものではありません。
「若いほど値下がりから回復する時間がある」という考え方を、覚えやすくした目安です。
年齢だけで決めていて、収入も家族構成も投資経験も入っていません。
💡 お金の豆知識:年金も配分を決めている
私たちの年金を運用するGPIFは、国内債券・外国債券・国内株式・外国株式に25%ずつという配分を決めています(2025年4月から適用)。プロでも「何を買うか」より先に「どう配るか」を決めているわけです。
使い方は「答え」ではなく「叩き台」
40歳のあなたが、この表で約60万円という数字を見たとします。
そこで問うべきは、ルールが正しいかではありません。
残高が60万円減った画面を見て、眠れるかどうかです。
平気なら60%で進めばいいし、きついなら割合を下げれば済みます。
なお、同じ配分でも持つ期間が長くなるほど、年率のブレは小さくなります。
ただし、1年で見たときの下振れが小さくなるわけではありません。
3ステップで自分の配分を決める
ここまでの内容を、手順に落とします。
STEP1 生活防衛資金を、投資の話から外す
まず、生活費の3〜6ヶ月分を別の口座に確保します。
このお金は配分の計算に入れません。
守りの部分(預金や個人向け国債のように、元本が動かないもの)とも別扱いです。
STEP2 耐えられる金額を、先に決める
残ったお金のうち、投資に回す金額を決めます。
そのうえで「1年で最悪いくら減っても平気か」を金額で決めてください。
ここが配分の出発点です。
積立中の人は、いまの残高に1年で積み立てる予定額を足した金額を「投資額」に入れてください。
STEP3 その金額から、割合を逆算する
さきほどの式を逆に使います。
攻めの割合 = 耐えられる金額 ÷(投資額 × 0.33)
投資額300万円で、耐えられるのが50万円なら、こうなります。
50万 ÷(300万 × 0.33)= 約0.5、つまり攻め50%です。
割合を先に決めるのではなく、金額から降りてくるのがポイントです。
【体験談】私の配分は、表にするほどのものがありません
参考までに、私の実際の中身を書いておきます。
生活防衛資金を銀行に置き、新NISAで全世界株式(オルカン)を月3万円ずつ積み立てる。
これだけです。
iDeCoには入っていませんし、金も持っていません。
配分表も作っていません。
22歳のころの私は、教えられるまま数銘柄に集中して100万円を50万円にしました。
最後は怖くなって手放しました。
あのころに足りなかったのは、銘柄を見抜く力ではありません。
減っても耐えられる範囲に、金額を収める考え方でした。
立派な配分表より、続けられるシンプルさのほうが効きます。
そもそも攻めの中身に何を選ぶかは、STEP③のマップで整理しています。
配分を決めたあとにやること
決めっぱなしにすると、配分は勝手にずれていきます。
攻めの部分が値上がりすれば、その割合は自然に増えるからです。
年に1回、割合を見て戻す
値上がりで増えすぎた攻めを売り、守りに戻す作業をリバランスといいます。
毎月やる必要はなく、年1回で十分とされる作業です。
積立の金額を調整するだけでも、決めた配分に少しずつ近づきます。
ライフイベントで決め直す
出産・転職・住宅購入など、支出の予定が変わるときは配分も変わります。
数年内に使うお金が増えるなら、攻めを減らしてください。
⚠️ 注意
投資には元本割れの可能性があります。この記事の試算はGPIF公表値をもとにした概算で、将来の運用成果を保証するものではありません。最終的な判断はご自身の責任でお願いします。
よくある質問
配分は何年ごとに見直せばいいですか?
年1回で十分とされています。
こまめに直すほど成績が良くなるわけではなく、売買のたびに手数料や税金がかかることもあります。
ただし家族構成や収入が変わったときは、時期を問わず見直してください。
全世界株式1本でも「配分」と言えますか?
言えます。
その場合は「攻め100%」という配分を選んでいることになります。
この試算の前提(日本株式)で計算すると、最悪の年に3割以上減る可能性を受け入れている状態です。
iDeCoや企業年金も含めて考えるべきですか?
含めて考えるほうが実態に近くなります。
ただし60歳まで引き出せないお金なので、生活のための資金とは分けて見てください。
私自身はiDeCoに入っておらず、いつでも引き出せるNISAを選んでいます。
まとめ|シリーズ5回で、ここまで来ました
資産配分とは、割合を決めることではありません。
最悪の年にいくら減るのを受け入れるかを決めることです。
金額さえ決まれば、割合は計算で出てきます。
このシリーズでやってきたことを、最後に並べます。
- STEP①:生活防衛資金を確保して、投資の土台を作る
- STEP②:自分が耐えられる金額を、数字で把握する
- STEP③:投資の種類を、リスクと難易度で見わたす
- STEP④:長期・積立・分散で、ブレを小さくして買う
- STEP⑤:耐えられる金額から、配分を逆算する(この記事)

今日の一歩は、これだけです。
攻めの割合を1つ決めて、紙に書いてください。
決まらないなら、まず「1年で最悪いくら減っても平気か」を金額で書いてください。
そこから割合は降りてきます。
※この記事の試算はGPIF公表の前提値にもとづく概算で、将来の運用成果を保証するものではありません。
執筆:よ~ちゃん(2級ファイナンシャル・プランニング技能士)/最終更新日:2026年7月20日
参考資料
- 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)「分散投資の意義② 投資のリスクとは」
- 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)「基本ポートフォリオの考え方」





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