
長期・積立・分散が大事ってよく聞くけど、なんで効くの?😥 呪文みたい
呪文のまま覚えても、暴落が来たら唱えるのをやめてしまう。
この3つが効く理由は、数字で説明できます。
先に結論をお伝えすると、年率のブレは1年で19%、20年で4.2%まで縮みます。
約4分の1以下です。
申し遅れました。
こんにちは、よ~ちゃんです。
FPですが、暴落で含み損30万円をかかえ、待てずに売った経験があります。
- 長期・積立・分散が、それぞれ何を担当しているか
- 20年持つと年率のブレがどこまで縮むかのFP自作試算
- 積立の正体は「下がった時に多く買う」仕組みだという話
- 国が絞り込んだ「つみたて投資枠」を、商品選びにどう使うか
読み終えるころには、暴落のニュースを見ても、積立をやめずにいられます。
※この記事はシリーズ『ゼロから学ぶ資産運用』のSTEP④です。STEP①・STEP②・STEP③もあわせてどうぞ。
長期・積立・分散が「効く」とはどういうことか
先に答えをお伝えします。
3つはセットの呪文ではなく、それぞれ守備範囲がちがいます。

長期=結果のブレを均す
同じ商品でも、1年で売るか20年持つかで、成績の散らばり方が変わります。
長期が担当するのは、この「散らばり」を小さくすることです。
積立=買う値段を均す
一度にまとめて買うと、その日の値段で全部が決まります。
毎月買えば、高い日も安い日も混ざります。
積立が担当するのは、買値の運不運をならすことです。
分散=1つの失敗を薄める
1社に集中していると、その会社がこけたら終わりです。
数千社に分けておけば、1社の失敗は誤差になります。
分散が担当するのは、致命傷を避けることです。
この3つは、守る場所がそれぞれ別だと考えてください。
【FP自作試算】20年持つと、ブレは4分の1以下に縮む
ここが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。
STEP②で使ったGPIFの数値を、もう一度使います。
日本株式の期待リターンは4.8%、1年のブレ幅(標準偏差)は約19%でした。
これは2025年4月適用の基本ポートフォリオを作るときにGPIFが使った前提値です。
4つの経済シナリオのうちの1つ(過去30年投影ケース)にあたります。
なお4.8%は、物価上昇を差し引く前の名目の数字です(2026年7月時点)。
このブレ幅は、保有年数が延びるほど小さくなります。
年数の平方根に反比例して縮む、という関係があるためです。
計算すると、こうなりました。
| 保有期間 | 約68%が収まる年率 | 約95%が収まる年率 |
|---|---|---|
| 1年 | −14.2% 〜 +23.8% | −33.2% 〜 +42.8% |
| 5年 | −3.7% 〜 +13.3% | −12.2% 〜 +21.8% |
| 20年 | +0.6% 〜 +9.0% | −3.7% 〜 +13.3% |
※GPIF公表の前提値(2025年4月適用の基本ポートフォリオ策定時・過去30年投影ケース・名目値)をもとにした筆者試算です。将来の運用成果を保証するものではありません。
ここでは日本株式の数値を例に使いました。
全世界株式など他の資産では、ブレ幅の大きさは変わります。

注目してほしいのは、20年の行です。
約68%の範囲が、ほぼプラス圏まで縮みました。
1年だとマイナス14.2%まで覚悟が必要なのに、20年ならプラス0.6%が下限になります。
年率のブレ幅そのものも、19%から4.2%へ。
約4.5分の1です。
20年は長い、と思った方もいるはずです。
5年でもブレ幅は8.5%と、半分以下に縮んでいます。
ただし「20年持てば絶対安全」ではありません
ここは正直に書いておきます。
この計算は、各年の値動きがたがいに影響しないと仮定したものです。
実際の相場は、下がる年が続く場面もあります。
そして95%の範囲で見ると、20年でもマイナス3.7%はありえる計算です。
しかもこれは「年率」の話です。
年率マイナス3.7%が20年続けば、100万円は約47万円まで減ります。
「20年でマイナス3.7%」ではないので、そこは読みちがえないでください。
反対に、中心の年率4.8%どおりに進めば、100万円は20年で約255万円になる計算です。
上も下も、この振れ幅の中で起こります。
もうひとつ、この表は期待リターンをそのまま年率に当てはめた概算です。
複利の性質上、実際の年率の中心はこれより低く出る可能性があります。
長期は「絶対」を作る道具ではなく、「振れ幅を小さくする」道具だと考えてください。
積立の正体は「下がった時に多く買う」仕組み
積立の効果は、金額ではなく「口数」で見ると一発でわかります。
毎月1万円ずつ、5か月間買ったとします。
価格が次のように動いたとしましょう。
| 買った月 | そのときの価格 | 買えた口数 |
|---|---|---|
| 1か月目 | 10,000円 | 1.00口 |
| 2か月目 | 8,000円 | 1.25口 |
| 3か月目 | 5,000円 | 2.00口 |
| 4か月目 | 8,000円 | 1.25口 |
| 5か月目 | 10,000円 | 1.00口 |
投資した合計は5万円、手に入れた口数は6.5口です。
平均取得単価は7,692円になりました。
いっぽう、初月に5万円をまとめて買っていたら、単価10,000円で5口です。
価格が「戻っただけ」なのに、増えている
5か月目の価格は、スタートと同じ10,000円に戻っただけです。
それなのに結果はこうなります。
- 積立:6.5口 × 10,000円 = 65,000円(プラス30%)
- 一括:5.0口 × 10,000円 = 50,000円(増減なし)
価格は行って帰ってきただけなのに、積立のほうは増えました。
3か月目に価格が半分になったとき、同じ1万円で2口買えたからです。
下落は、積立にとって仕入れが安くなる期間だと考えてください。
ただし、この例は下げてから戻るいわゆるV字型で、積立にとって有利な動き方の典型です。
上がり続ける相場なら、逆に一括のほうが有利になります。
【体験談】私は、そのバーゲンで店を出てしまいました
投資を始めたばかりの頃、暴落で含み損が一時30万円までふくらみました。
投資した額の、約7割です。
耐えきれず売って、損失を確定させました。
数か月後、相場はもとに戻りました。
今の私が当時の私に言うなら、こうです。
安売りが始まった瞬間に、持ち物を売って店を出たようなものだ、と。
あのとき積立をしていたなら、さきほどの例でいう「安く買える月」でした。
分散はなぜ効くのか|1本で数千銘柄
分散の役割は、致命傷を避けることです。
私は今、新NISAで全世界株式(オルカン)を月3万円ずつ積み立てています。
これ1本で、数十カ国・数千銘柄に分かれます。
1社が倒産しても、影響は数千分の1です。
22歳の私は、教えられるまま数銘柄に集中して、100万円を50万円にしました。
あのとき分散していれば、半分になることはありませんでした。
💡 お金の豆知識:分散しても「全部下がる日」はある
リーマンショックのような局面では、世界中の株が同時に下がります。分散が守るのは「1社の倒産」であって、「市場全体の下落」ではありません。
そこを守るのが、さきほどの長期というわけです。
3つがセットで語られる理由は、ここにあります。
国が「長期・積立・分散向き」を選んでくれている|つみたて投資枠
新NISAのつみたて投資枠では、買える商品が国の基準で絞られています。
この枠で買えるのは、金融庁が定めた要件を満たす投資信託やETFだけです。
ここが、商品を選ぶときにいちばん効いてきます。
どの商品が長期・積立・分散に向くかを、自分で判定しなくていいからです。
金融庁は対象商品の届出一覧を公表していて、随時更新されています。
私が確認した時点では、運用会社別の一覧が2026年7月3日、対象資産別の一覧が7月16日の更新でした。
商品選びで迷ったら、まずこの枠の中から選ぶと大きく外しにくくなります。
ただし枠の中にも、指数に連動するタイプや複数資産を混ぜたタイプなど、いろいろあります。
枠に入っていること自体は、成績を約束するものではありません。
なお、利益を再投資して雪だるま式に増やす仕組みは、金利とは?複利の罠と賢い活用法でくわしく解説しています。
⚠️ 注意
投資には元本割れの可能性があります。この記事の試算はGPIF公表値をもとにした概算であり、将来の運用成果を保証するものではありません。最終的な判断はご自身の責任でお願いします。
よくある質問
20年も待てないのですが、意味はありますか?
あります。
5年でもブレ幅は19%から8.5%へ、半分以下に縮む計算です。
ただし5年だとマイナス圏も残るので、数年内に使う予定のお金は投資に回さないでください。
暴落したら、積立は止めるべきですか?
止めないほうが、積立の効果は出ます。
価格が下がっている期間は、同じ1万円で買える口数が増える期間だからです。
ただし、生活費が足りなくなるなら話は別です。
一括投資と積立は、どちらが得ですか?
上がり続ける相場なら、一括のほうが有利になります。
下げてから戻る相場なら、積立のほうが有利です。
先がわからない以上、どちらが得かは事前には決められません。
まとめ|今日やるのは「積立設定を1つ作る」だけ
長期・積立・分散は、それぞれ別の仕事をしています。
長期が結果のブレを均し、積立が買値を均し、分散が致命傷を防ぎます。
GPIFの数値で計算すると、年率のブレは1年で19%、20年で4.2%まで縮みました。
そして積立の正体は、下がった時に多く買える仕組みです。
今日の一歩は、これだけです。
証券会社の積立設定を、1つだけ作ってください。
金額は、生活防衛資金を確保したうえで、無理のない範囲にしてください。
いくらにするか迷ったら、NISAは月いくら積み立てる?年収別の目安が参考になります。
次のSTEP⑤では、守りと攻めの割合をどう決めるかを扱います。
※この記事の試算はGPIF公表の前提値にもとづく概算で、将来の運用成果を保証するものではありません。
執筆:よ~ちゃん(2級ファイナンシャル・プランニング技能士)/最終更新日:2026年7月20日
参考資料
- 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)「分散投資の意義② 投資のリスクとは」
- 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)「基本ポートフォリオの考え方」
- 金融庁「NISAを知る(NISA特設ウェブサイト)」
- 金融庁「つみたて投資枠対象商品」(2026年7月時点)







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